日頃あまり馴染みがないかもしれませんが、喪中はがきとはどのようなものなのでしょう。
そのためには喪中や喪中欠礼の意味についても知っておく必要があります。
喪中はがきの内容や書き方のマナーについてご紹介します。
喪中はがきとは?
喪中はがきとは、どんなはがきなのでしょう。
喪中とは?
近親者が亡くなった場合に、その死を悲しんで一定の期間、喪に服することをいいます。
喪の期間に厳密な決まりはありませんが、一般的には一年間となります。
喪中欠礼の意味とは?
喪中はがきは近親者に不幸があり喪に服するために、新年の挨拶を遠慮することを知らせるもので年賀欠礼状ともいいます。
この喪中はがきのマナーは地域や宗教、また家族の考え方によっても異なります。
ここでは一般的なマナーをご紹介していきます。
喪中はがきの内容
喪中はがきの内容についてです。
喪中はがきの内容の構成
喪中はがきの基本構成はこのようになります。
・喪中を知らせる言葉
・故人の続柄・名前・年齢・亡くなった日
・感謝の言葉
・結びの言葉
・日付
・差出人
喪中はがきの絵柄の意味
続いて喪中はがきとして使用するはがきの絵柄についてです。
一般的に多いのは蓮の花になります。
この蓮の花は仏陀の誕生とともに咲いたといわれ、仏教徒がなくなる時に蓮のつぼみに包まれて天に昇るとされています。
このような意味から蓮の花が喪中はがきの絵柄として多く使われます。
他にも使われる花はありますが、ひまわりのような明るく元気なイメージの花は喪中はがきの絵柄として相応しくありません。
(他の花の一例)
・桔梗・・・誠実、永遠の愛
・菊・・・洗浄
・百合・・・純潔
・胡蝶蘭・・・純粋な愛、幸福が飛んでくる
喪中はがきの書き方マナー
では、喪中はがきの書き方のマナーについてです。
喪中はがきを出す時期
はじめに、喪中はがきを出す時期についてです。
喪中はがきは年賀欠礼状になりますので、一般的には相手が年賀状の準備をする前に届くように出すのがマナーといえます。
そのため11月中旬から12月上旬頃までというのが目安となります。
また年賀欠礼状というは、こちらが年始の挨拶を今年は遠慮することを伝えるためのものになります。
相手が用意している年賀状をとめるためのものではありません。
そのため喪中はがきは11月から準備をして遅くても12月はじめには相手に届くように送るようにします。
喪中はがきを出す範囲
喪中はがきを出す範囲は厳密なルールはありませんが、喪中の範囲と考えて2親等の親族までとするのが一般的です。
ただし2親等でも祖父母や義理の兄弟姉妹については喪中としない人が増えてきています。
これは故人との付き合いの深さなどにもよりますのでそれぞれ相談して判断するといいでしょう。
喪中はがきは縦書き横書きどっち?
喪中はがきは縦書きでないといけないというような厳密な決まりはありません。
しかし、横書きは縦書きと比較するとカジュアルな印象を与えます。
そのため伝統的な書式である縦書きを選択した方が無難といえます。
喪中はがきですから、喪中の意味を考えればあまり砕けた印象は相応しいとはいえません。
受け取る方もどのように感じるか人によってそれぞれですので無難な方を選ぶのがいいでしょう。
喪中はがきで使うペンは?
喪中はがきを書くときに使用するペンには相応しいものとそうでないものがありますので注意が必要です。
<相応しいペン>
・毛筆
・万年筆
・筆ペン
・サインペン
相応しいのは毛筆、万年筆、筆ペン、サインペンの順で形式張った手紙には毛筆が最も相応しいとされます。
しかし日頃から誰でも使っているような手頃なものではなく、あまり現実的ではありません。
そのような点からいうと毛筆のようなタッチで書けて、手頃で使いやすいのは筆ペンといえるでしょう。
<相応しくないペン>
・ボールペン
・カラーインクのペン
日頃使う機会の多い一番身近なペンというとボールペンがありますが、喪中はがきを書くのには使用しないようにしましょう。
ボールペンは事務的な印象で略式のペンとなりますので、形式張った手紙の喪中はがきには不向きです。
また喪中はがきを書くときのインクの色は黒になります。
その他のカラーインクは使用しません。
喪中はがきは薄墨で書くべき?
弔事では薄墨を用いることが多いのですが、その理由は「突然の訃報でしっかりと墨をすることができなかった」ことや、「悲しみの涙でにじんだせいで墨が薄くなってしまった」といわれています。
しかし喪中はがきを書くときには十分な時間が経過していることもあり、薄墨を使わなくても問題はありません。
そのため黒、または薄墨で書くといいでしょう。
また宛名については誤配を防ぐ意味もあり、宛名住所をしっかりと記す意味で黒色を使うのが良いとされています。
喪中はがきに句読点は使わない?
結婚式などお祝い事では、区切りをつけないために句読点は用いないといわれますが、弔事の場合は少し意味がちがいます。
日本語はもともと筆で書かれていたため句読点はなく、読みやすくするために一文字空けたり改行したりして見やすくなるように工夫されていました。
そのため、あらたまった文章のときは句読点を使わないことが慣例化し、喪中はがきのような場合も好まれなくなったと言われています。
ただし現代では形式的なこだわりよりも相手に対して伝わりやすい方が好まれますので必ずしも外したほうがいいとはいえません。
喪中はがきで近況報告はダメ?
喪中はがきは年賀欠礼の挨拶状ですので季節の挨拶状のような近況報告は書きません。
喪中であることを考えれば、とてもそんな状況ではないということは受け取る側もわかります。
また慶事に関することも書かないことがマナーになります。
その他のマナー
喪中はがきを書く際に年賀という言葉は使用しません。
それは「賀」という文字が喜び祝うという意味になるからです。
代わりに年頭、年始、新年などの言葉を用います。
また、拝啓や敬具などの頭語や結語は喪中はがきには使いません。